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1-1 図面とは

図面とは

突然ですが、みなさんは「図面」を見た事がありますか?そもそも図面とはなんでしょうか。
多くの方がイメージする図面は「アパートなどの間取り図、家具の組立図」などでしょうか。

身近にある文房具、テレビなどの家電製品、住宅や橋、自転車や自動車、更にそれらを作る機械など、あらゆる物は図面がなければ作る事ができません。図面には形状や寸法、構造、動く物であれば機構、加工する要件、センサやモータなどの型式や設置場所など、物を製作する上で必要な情報が全て記載されているため、「図面」はモノづくりには欠かせない基本の必須アイテムと言えます。

様々な所で使われる図面ですが、本ブログでは主に「機械図面」の説明を行っていきます。

まず、「図面」には大きく分けて4つの役割があります。
 ①作りたい物のイメージを具現化する
 ②物と物との関係性を確認する
 ③物を作る
 ④物を手配する

以下にそれぞれの説明をしていきます。

①作りたい物のイメージを具現化するための図面

物を作る場合、「どんなコンセプトで」「どんなニーズに向けて」「値段はいくらにするか」「工場に設置する装置ならレイアウトや大きさ、必要な能力は」など様々な要件があります。
例えば既存設備の性能が1万台生産能力、新たに設置する設備は2万台生産能力に性能アップした装置を1千万円で作りたいといった要件を実現するために、機器の配置、機構、動かす順番、値段を抑えるための加工方法や部品点数削減などモノづくりのベースとなる要件をまとめて、イメージを具体化していきます。

この様にイメージを図面に落とし込みながら、構造、機構、使い勝手などを画図したものを「計画図」や「構想図」と言い、主に技術者が作成します。

②物と物との関係性を確認するための図面

「計画図」「構想図」をもとに、実際に物を作るために詳細な設計を進めていくのですが、いきなり細部の部品の図面を作る事はありません。まずは作りたい物の大枠から構造や機構に必要な部品を配置したり、それらの関係性を考慮して詳細な形状などの設計を進めていきます。

このように物と物との関係性を確認しながら、個々の形状の詳細な設計をする図面を「組立図」と言い、主に技術者か中堅以上の設計アシスタントが作成します。

組立図は実際に出来上がった部品を製品として組み立てるためにも使用されます。

③物を作るための図面

「組立図」にて設計された個々の部品を実際の物として製作するために形状や寸法などを画図した図面を「部品図」と言い、主に設計アシスタントが作成します。

余談ですが、「部品図」を作ることを「バラシ」とか「バラス」とか言います。
若手技術者のみなさんは先輩技術者に「組立図が出来たからバラしておいて」と指示を受けたら部品図を作図する意味となりますので、くれぐれも組立図をバラバラに破壊する事をしない様に。。。

④物を手配するための図面

実際には物を手配するために図面だけ渡しても物を作ることはできないし買うこともできません。
製作する必要がある部品であれば、その部品の図面番号や製作個数などを纏めた部品表を添える必要がありますし、電気機器など既に世の中にある部品を購入する場合は、型式や個数などを纏めた部品表が必要になります。具体的には会社ごとの調達や資材と製作工場や問屋との間で取り決めた書類などに必要に応じて図面が添付される形となります。

部品表自体は図面ではないですが、図面との関係性は大きいので第4の図面として紹介しました。

まとめ

図面とは、「構想図」「計画図」「組立図」「部品図」「部品表」など目的に応じて必要なことを画図したものです。
モノづくりには欠かせない「図面」。設計をするには自分で描けることが必須ですが、設計以外でもモノづくりに携わる上では最低限読める必要があります。

また図面は、ユーザー⇄設計者⇄調達⇄製作工場などで誰が見ても同じ様に読み取られなければなりません。

次回からは、誰が見ても同じ様に読み取られる為の図面の規格などを個々に紹介していきます。