組立図と部品図の寸法が合っているか確認する

機械図面では、組立図が正しく見えていても、部品図の寸法が合っていないことがあります。

組立図では部品同士がきれいに組み合わさっている。
しかし、部品図を確認すると、

  • 穴位置がずれている
  • 外形寸法が違う
  • 軸と穴の径が合っていない
  • 板厚や高さが一致していない

といった不具合が見つかることがあります。

今回は、組立図と部品図を照合するときのチェックポイントを解説します。


組立図だけでは判断できない

組立図は、装置全体の構成や部品同士の位置関係を確認するための図面です。

一方、部品図は、それぞれの部品を実際に製作するための図面です。

組立図上で問題なく見えていても、部品図の寸法が古いまま残っていると、製作した部品は正しく組み付きません。

特に注意したいのは、設計変更を行った後です。

例えば、組立モデルでは穴位置を変更したものの、部品図の寸法や注記を更新していないケースがあります。

図面チェックでは、組立図と部品図が同じ内容になっているかを確認する必要があります。


取付穴の位置を照合する

組立図と部品図で最初に確認したいのが、取付穴の位置です。

例えば、プレート同士をボルトで固定する場合は、両方の部品で穴位置が一致していなければなりません。

確認するポイントは次の通りです。

  • 穴中心の位置
  • 穴ピッチ
  • 穴径
  • 穴数
  • タップ穴とキリ穴の組み合わせ
  • ザグリや皿穴の向き

組立図では重なって見える穴でも、部品図では基準や寸法が異なっていることがあります。

穴位置を変更した場合は、相手側の部品図も必ず確認しましょう。


軸と穴の寸法が合っているか

軸、ピン、カラー、ベアリングなどを組み合わせる場合は、径寸法の照合が重要です。

例えば、軸径がφ20なのに、相手側の穴径もφ20の単純寸法だけでは、実際には組み付けにくいことがあります。

確認したいのは、次のような項目です。

  • 軸径と穴径
  • はめ合い公差
  • すきまの有無
  • 圧入かすきまばめか
  • 挿入長さ
  • 面取りや逃げの有無

部品単体では正しく見えても、組み合わせたときに入らない、ガタが大きい、奥まで入らないといった問題が起こることがあります。


高さや段差寸法を確認する

組立後の高さや位置は、複数の部品寸法によって決まります。

例えば、ベースプレートの厚み、スペーサーの高さ、取付部品の段差寸法が積み重なって、最終的な高さになります。

このとき、どれか一つの寸法が変わると、組立全体の位置も変わります。

チェックするときは、

  • 部品の板厚
  • スペーサーの高さ
  • 段差寸法
  • 取付面から中心までの高さ
  • 組立後の全高

を照合します。

特に、モーターと減速機、軸とベアリング、コンベヤとガイドなど、高さ関係が重要な部分は注意が必要です。


板厚変更後の寸法に注意する

板金部品やプレート部品では、板厚変更による寸法ズレが起こりやすくなります。

例えば、板厚を6mmから9mmに変更した場合、外形寸法が同じでも、取付面や穴位置の関係が変わることがあります。

特に注意したいのは、次の部分です。

  • 曲げ部品の内寸と外寸
  • ボルトの必要長さ
  • 段差部の高さ
  • 溶接部品の完成寸法
  • 相手部品とのすきま

板厚だけを変更し、周辺寸法を見直していないと、組立時に干渉や位置ズレが発生します。


部品名称と図番も確認する

組立図と部品図の照合では、寸法だけでなく部品情報も確認します。

同じような形状の部品が複数ある場合、図番や左右の区別を間違えることがあります。

確認したい項目は次の通りです。

  • 組立図の部品番号
  • 部品図の図番
  • 部品名称
  • 使用数量
  • 右用・左用の区別
  • 材質や板厚

形状が似ていても、穴位置や向きが異なる部品は珍しくありません。

組立図の部品表と部品図が正しく対応しているかを確認しましょう。


設計変更後は変更箇所の周辺も見る

設計変更では、変更した部品だけを確認して終わらないことが重要です。

例えば、ブラケットの穴位置を変更した場合、影響する可能性があるのはブラケットだけではありません。

  • 相手側プレート
  • 取付ボルト
  • 周辺カバー
  • 配線や配管
  • 組立後の位置

なども確認が必要です。

一つの変更が複数の部品へ影響するため、組立図を見ながら関連部品を追うことが大切です。


3Dモデルと2D図面の不一致にも注意する

3D CADを使用している場合、組立モデルは正しくても、2D図面の寸法や注記が古いことがあります。

形状は自動で更新されても、手入力した寸法や注記は自動で変わらない場合があります。

チェックするときは、

  • 3D形状と投影図が一致しているか
  • 手入力寸法が古くないか
  • 穴数や注記が更新されているか
  • 部品表の数量が合っているか
  • 改訂内容が部品図へ反映されているか

を確認します。

3Dモデルが正しいから部品図も正しいとは限りません。


組立図と部品図の簡単なチェック手順

照合するときは、次の順番で確認すると見落としを減らせます。

1. 組立図の部品番号と部品図を照合する
2. 取付穴の位置・径・数量を確認する
3. 軸と穴の径、公差を確認する
4. 高さ・段差・板厚を照合する
5. 相手部品とのすきまを見る
6. 設計変更の影響範囲を確認する
7. 3Dモデルと2D図面の不一致がないか見る

寸法を一つずつ見るより、部品同士の取り合いごとに確認するのがポイントです。


まとめ

組立図と部品図の不一致は、部品を製作した後に発覚すると大きな手戻りになります。

特に確認したいポイントは次の通りです。

  • 取付穴の位置や径が一致しているか
  • 軸と穴の寸法、公差が合っているか
  • 高さや段差寸法が組立状態と一致しているか
  • 板厚変更の影響が反映されているか
  • 部品番号、図番、数量が合っているか
  • 設計変更が関連部品へ反映されているか

図面チェックでは、部品図を一枚ずつ見るだけでなく、相手部品と組み合わせた状態で寸法を確認することが大切です。

組立図と部品図をセットで確認することで、穴位置のズレや干渉、組立不能といったミスを減らせます。