部品表と図面の数量が合っているか確認する
組立図には、装置に使用する部品をまとめた部品表を付けることがあります。
しかし、組立図上の部品数と部品表の数量が合っていないと、製作部品や購入品が不足します。
反対に、数量を多く記載すると、不要な部品を製作・購入してしまいます。
今回は、出図前に確認したい部品表と図面の数量チェックについて解説します。
部品表の数量違いはなぜ起こるのか
数量違いは、設計変更や流用設計の後に起こりやすいミスです。
例えば、組立モデルからブラケットを1個削除したものの、部品表の数量が変更されていない場合があります。
反対に、部品を追加したのに、部品表へ登録されていないこともあります。
よくある原因は次の通りです。
- 部品を追加・削除した
- 同じ部品をコピーして配置した
- 左右部品を別図番に変更した
- 組立図を流用した
- 購入品の型式を変更した
- 部品表を手入力している
図面チェックでは、部品表だけを見るのではなく、組立図の実際の配置数と照合することが大切です。
組立図上の部品を実際に数える
数量チェックでは、組立図に配置されている部品を一つずつ数えます。
部品表に「数量4」と記載されていても、本当に4個配置されているとは限りません。
特に注意したいのは、次のような部品です。
- ボルトやナット
- スペーサー
- ブラケット
- センサードグ
- 左右に配置する部品
- 同じ形状を繰り返し使用する部品
部品番号を追いながら、組立図上の数量と部品表の数量が一致しているか確認しましょう。
3D CADから部品表を自動作成している場合でも、非表示部品や除外設定によって数量が変わることがあります。
同じ形状でも別部品ではないか確認する
見た目が似ている部品でも、穴位置や向きが違えば同じ部品として扱えません。
例えば、装置の右側と左側に取り付けるブラケットが、左右反転した形状になっている場合です。
外形が似ているため同じ図番にまとめると、片側へ取り付けられないことがあります。
確認するポイントは次の通りです。
- 右用・左用の区別があるか
- 穴や切欠きの位置が同じか
- 表裏の加工が同じか
- 曲げ方向が同じか
- 本当に共通部品として使えるか
共通化できる部品と、別図番にすべき部品を正しく分けることが重要です。
部品番号と図番が対応しているか
組立図では、バルーンなどで部品番号を示し、部品表と対応させます。
この部品番号が間違っていると、どの部品を示しているのかわからなくなります。
チェックするときは、
- バルーン番号
- 部品表の項目番号
- 部品図の図番
- 部品名称
- 使用数量
が正しく対応しているか確認します。
設計変更で部品表の行を追加・削除した場合、番号がずれることがあります。
自動連携されている場合でも、出図前に目視で確認しておくと安心です。
ボルト・ナット・座金をセットで確認する
締結部品では、ボルトだけでなく、ナットや座金の数量も確認する必要があります。
例えば、ボルトを8本使用するのであれば、基本的には必要なナットや座金も8個ずつになります。
ただし、タップ穴へ締め付ける場合はナットが不要です。
チェックしたいのは次の点です。
- ボルトの使用本数
- ナットが必要か
- 平座金やばね座金の数量
- ボルトサイズと長さ
- 同じ締結部で仕様が混在していないか
ボルト数だけを変更し、座金やナットの数量が古いまま残るミスには注意しましょう。
購入品の型式と数量を確認する
モーター、センサー、ベアリングなどの購入品は、型式と数量の両方が重要です。
数量が合っていても、型式が古いままでは誤った製品を手配する可能性があります。
確認するポイントは次の通りです。
- メーカー名
- 正式な型式
- 使用数量
- 付属品の有無
- 左右や仕様違いの区別
- 生産終了品ではないか
同じ名称でも、電圧、ストローク、ケーブル長などが異なる製品があります。
部品表には、手配に必要な情報が十分に記載されているか確認しましょう。
支給品や現合品の扱いを明確にする
装置によっては、新規に製作・購入しない部品もあります。
例えば、
- 客先からの支給品
- 既存装置からの流用品
- 現地で取り付ける部品
- 現合で加工する部品
- 別手配となる部品
です。
これらが通常部品と同じように部品表へ記載されていると、重複手配につながることがあります。
必要に応じて、備考欄へ「支給品」「流用品」「別途手配」などと記載し、扱いを明確にしましょう。
単品数量と装置全体数量を混同しない
複数台の同じ装置を製作する場合は、数量の考え方にも注意が必要です。
部品表の数量が、
- 装置1台当たりの数量
- 製作台数を含めた総数量
のどちらを示しているのか明確にします。
例えば、装置1台にブラケットを4個使用し、装置を3台製作する場合、必要数量は合計12個です。
部品表には4個と記載し、製作指示側で3台分を計算する運用もあります。
どちらの運用でも構いませんが、数量の意味が関係者で統一されていることが重要です。
部品表に不要な部品が残っていないか
部品を削除した後、組立図から形状は消えていても、部品表に項目だけ残ることがあります。
この状態で手配すると、不要な部品を製作・購入してしまいます。
次のような項目が残っていないか確認しましょう。
- 削除した部品
- 旧型式の購入品
- 使用しなくなったボルト
- 仮配置していた部品
- 検討途中の部品
- 重複登録された部品
部品表の各項目について、組立図上のどこに使われているか確認できる状態が理想です。
部品表チェックの簡単な手順
部品表は、次の順番で確認すると見落としを減らせます。
1. 組立図上の部品を実際に数える
2. バルーン番号と部品表を照合する
3. 図番・名称・数量が合っているか確認する
4. 左右部品や類似部品を見分ける
5. ボルト・ナット・座金をセットで確認する
6. 購入品のメーカーと型式を見る
7. 支給品や流用品の扱いを確認する
8. 不要な項目が残っていないか見る
まとめ
部品表の数量ミスは、部品不足や余分な製作・購入につながります。
特に確認したいポイントは次の通りです。
- 組立図上の配置数と部品表の数量が一致しているか
- 部品番号と図番が正しく対応しているか
- 左右部品を同じ部品として扱っていないか
- ボルト・ナット・座金の数量が合っているか
- 購入品の型式が正しいか
- 支給品や流用品の区別が明確か
- 削除した部品が残っていないか
部品表は、単なる一覧表ではなく、製作や購入手配の基準になる重要な情報です。
組立図上の部品を一つずつ追いながら照合することで、数量不足や誤手配による手戻りを減らせます。
