表面粗さの指示が多すぎないか確認する
機械図面では、加工面の仕上がりを示すために表面粗さを指示します。
ただし、表面粗さは細かく指定すればよいものではありません。
必要以上に厳しい指示を入れると、加工工程や検査が増え、部品の価格が上がる原因になります。
今回は、表面粗さをチェックするときのポイントを解説します。
表面粗さは何のために必要なのか
表面粗さは、部品表面の細かな凹凸の程度を示すものです。
主に次のような部分で重要になります。
- 軸や穴のはめ合い面
- ベアリングやシールの接触面
- 部品同士が滑る面
- 密着や気密性が必要な面
- 外観が重視される面
反対に、機能にほとんど影響しない外形面まで、厳しく仕上げる必要はない場合があります。
まずは、その面に粗さを指定する理由があるかを確認しましょう。
すべての面に同じ粗さを入れていないか
よくあるのが、加工面すべてに同じ表面粗さを指定してしまうケースです。
例えば、重要な摺動面と、単なる外形面に同じ仕上げを求めると、不要な加工が増える可能性があります。
図面チェックでは、各面を次のように分けて考えます。
- 機能上、仕上げが重要な面
- 相手部品と接触する面
- 寸法を仕上げるために加工する面
- 外形を作るだけの面
すべての面を均一に扱うのではなく、必要な面だけを個別に指定することが大切です。
一括指示で対応できないか確認する
複数の面に同じ表面粗さが必要な場合は、図面の注記や一括指示で示す方法があります。
各面に同じ記号を何度も入れると、図面が見にくくなります。
また、形状を変更したときに、一部の記号だけ修正を忘れる可能性もあります。
基本となる粗さは一括で示し、特に重要な面だけを個別に指定すると、図面が整理しやすくなります。
加工方法に合った指示か
表面粗さは、加工方法によって得やすい範囲が変わります。
例えば、旋削やフライス加工で十分な面に、研削仕上げが必要になるほど厳しい指示を入れると、工程が増えます。
板金部品や製缶部品でも、切削加工品と同じ感覚で粗さを指定すると、現実的でない場合があります。
チェックするときは、
- どの加工方法を想定しているか
- 仕上げ加工が必要になるか
- 一般的な加工で対応できるか
- 追加工程に見合う必要性があるか
を確認しましょう。
寸法公差とのバランスを見る
寸法公差が緩いのに、表面粗さだけが非常に厳しい図面は、指示のバランスが取れていない可能性があります。
反対に、精密なはめ合い面なのに粗さの指示がない場合も注意が必要です。
公差と表面粗さは別の指示ですが、どちらも部品の機能に関係します。
重要な軸径や穴径、接触面などは、寸法公差と表面粗さをセットで確認するとよいでしょう。
加工しない面に指示していないか
材料の表面をそのまま使用する部分に、切削加工を前提とした粗さ記号が入っていないかも確認します。
例えば、黒皮材、板材、鋳物などでは、素材面をそのまま使用することがあります。
そこに厳しい表面粗さを指定すると、加工不要だった面まで削る必要が出てきます。
どの面を加工し、どの面を素材のまま残すのかを整理することが大切です。
表面粗さチェックの簡単な手順
表面粗さは、次の順番で確認するとチェックしやすくなります。
1. 相手部品と接触する面を確認する
2. はめ合い面や摺動面を見る
3. 粗さを指定する理由を考える
4. 同じ指示を入れすぎていないか確認する
5. 一括指示で整理できないか見る
6. 加工方法に合った数値か確認する
7. 加工しない面に指示がないかを見る
まとめ
表面粗さは、部品の機能を守るために必要な指示です。
しかし、必要以上に厳しくすると、加工費や納期に影響します。
特に確認したいのは、次のポイントです。
- その面に粗さの指定が本当に必要か
- すべての面に同じ指示を入れていないか
- 一括指示で整理できないか
- 加工方法に合った指示になっているか
- 公差とのバランスが取れているか
表面粗さは、厳しくするほどよいのではなく、部品の機能に必要な面だけを適切に指定することが重要です。
